スティーブ・ジョブズの評価
2015年アメリカ映画
ダニー・ボイル監督
マイケル・ファスベンダー主演
今作は世界を変えたスティーブ・ジョブズとその周りの人達との間に生じる摩擦を描いた作品です。
この映画は「ある程度はスティーブ・ジョブズについての基礎知識がある人」をターゲットにしているような気がするので、スティーブ・ジョブズのことをよく知らない人は分からない部分もあるかもしれません。
スティーブ・ジョブズのゲスな側面をこれでもか!というくらいに赤裸々に描いていますね。
たとえゲスで本当に最低な人間だったとしても、彼にはなぜか人を引き付ける魅力と実力があるのが一般人からしたら不思議でしょうがないでしょう。
徹底的に無駄なものは排除して、洗練に洗練を重ねたデザインを生み出せるのは本当にスティーブ・ジョブズしかいないとつくづく思いますね。
そして独創的な発明だけでなく、見る者を引き付けるプレゼンテーション能力も彼にしかできない特別なもの。
それらを得るためには、人に対しても例外ではなく、無能だと判断した人間はすぐに切り捨てるのが彼の凄いところです。
一度決めたことは誰になんと言われようが曲げず、理想が叶わなかったら周りのせいにするという単純な人間ですよね(笑)
ウォズニアックの「プログラマーでも、エンジニアでも、デザイナーでもない。君は何をした?」というセリフが悲しいです。
一見すると冷酷な性格だけど、創設者のウォズニアックをかばったり、娘のためにiPodを開発したのだとしたら、あの発明は彼にしかできない一番の償いを果たしたということかもしれません。